F1でウェットのセッティングってどうするの?運転の違いも解説!
F1でウェットの時のセッティングってドライの時と違うと思うんだけど、具体的には何をどのように変更しているの?雨用のセッティング方法を知りたい!
F1ドライバーのコメントでも、雨用のセッティングに賭けたとか、ウェットを見越して失敗したとか聞くもんね!何をいじっているのか運転方法の違い含めて解説していくよ!
F1のウェット用のセッティングって何をいじっているのでしょうか?ドライのコンディションに比べて、何をどのように変えているのか、ふんわりとは分かっても、明確に答えることは難しい人が多いのではないでしょうか?
この記事では、年に数回訪れる雨のレースで、車のセッティングをどのように変更しているのか、運転方法はどのように変えているのか解説し、あなたが雨のレースも楽しく観戦できるようにします!
目次
F1のウェット用のセッティングはどうするの?
結論から言うと、F1でウェットコンディションになった場合のセッティングは、ダウンフォースという、車を地面に押し付けて車の挙動を安定させる力を増やす方向にします。ここがメインですが、他にもセッティングを行い、車が雨によって滑らなくすることを意識します。
ダウンフォースを多くする
レース時の天候が雨の時は、道路に落ちた水によってタイヤが救われて、つるつる滑ってしまいます。例えるなら、スケートリンクを走っているようなものです。
この状態ではタイヤがしっかり地面をとらえられず、スピンが連発してしまいます。
これを防ぐために、F1でもウェットのセッティングはダウンフォースをたくさん得られるように、前後のウイングをしっかり立てます!
ダウンフォースやタイヤの役割ってどんなものか知りたい方は、別記事で解説していますので、良ければご覧ください!
ただし、ダウンフォースが増えるということは、空気抵抗が増えるということですので、ストレートスピードが遅くなるということになります。つまり、ドライコンディションではダウンフォースのつけすぎはデメリットになります。
車高を高くする
F1を含めたスポーツカーは、操縦のしやすさや空気抵抗などの観点から、車高を低く設定しています。車高を低くする(=重心を下げる)と、ドライバーの操縦に瞬時に車が反応してきびきび動くようになるので、乾いた路面では車高が低い方が有利です。ただ、雨の場合はそうもいきません。雨によって水たまりができた時に車高が低いと、車体が水に浮いてしまい、タイヤがグリップしなくなって滑ってしまいます。
これを防ぐために車高を高くしますが、高くした分空気抵抗は大きくなるので、スピードは遅くなります。
サスペンションを柔らかくする
サスペンションとは、路面の凹凸に対応して車高を一定にしようとする(路面からの衝撃を吸収しようとする)、ある種のクッションのような役割のものです。このサスペンションが固いと、路面の凸凹による衝撃を吸収しにくく、車にかかる荷重(タイヤが路面を押し付ける力)が抜けやすくなります。
路面の細かい凸凹の度に衝撃を吸収できずに車が跳ねてしまっていたら、車の挙動が安定しないってことだね!
ただ、路面が乾いている状況だと、サスペンションが固くてもタイヤがしっかりグリップしてくれるため、車の挙動は安定してスピンしたりはしません。
ところが、ウェットコンディションだと路面がつるつるのため、タイヤのグリップが効きにくくなります。その状況でサスペンションを固くして衝撃を吸収しにくくしてしまうと、車の挙動が安定せずにスピンしやすくなります。
また、サスペンションが固いと、車高が低くなる傾向にあります。雨の日は車高を高くしたいので、その意味でもサスペンションは柔らかくします。
F1のウェットセッティングでどう走れば速い?
F1でのウェットのセッティング方法を簡単に紹介しましたが、運転方法にも違いがあります。ある程度は想像できるものですが、確認のためにも一緒に見ていきましょう!
アクセルはゆっくり踏む
ドライコンディションではアクセルは一気に踏み込んで急加速をします。一方ウェットコンディションでは、速く走ろうとしてアクセルを強く踏むと、ホイールスピンを起こして加速が弱くなります。
ホイールスピンは、タイヤの空回りのことだったね!
カーブの出口などでは、優しくアクセルを踏み始めて、徐々に前回にしていく方がホイールスピンを防げて早く加速することができます。
ブレーキは早めに優しく
ドライコンディションでは、ブレーキはなるべく遅らせて、一気に踏み込みます。しかしウェットコンディションではブレーキをかけてから止まるまでの制動距離がとても長くなります。そのため、ブレーキはかなり手前から優しく踏むように操作します。
雨の日は晴れの日に比べて1.5倍制動距離が長くなるんだよ!
車は急には止まれないって教習でも習ったね!
走行ラインを変える
ドライコンディションとウェットコンディションでは、サーキットの走る部分を変えます。
カーブを曲がる際に、ドライコンディションでは「アウト・イン・アウト」のコース取りですが、ウェットコンディションでは「アウト・アウト・アウト」のラインを取ります。
一般的にサーキットのコーナーは若干アウト側からイン側に下るように傾斜が付いていることが多いそうです。そのため、アウト側からイン側に水が流れ、水が溜まります。イン側の方が水たまりの水深が深いので、タイヤがすくわれやすくなり、スピンしやすくなってしまいます。
F1でウェットのセッティングはどうするのかまとめ!
ここまででF1のウェットでのセッティング方法と運転方法について見てきました。
・F1ではウェットのセッティングはダウンフォースを増やす方向にする
・ダウンフォースを増やすので、ストレートスピードは遅くなる
・運転は、ドライコンディションの時よりも優しく丁寧に
ウェットに賭けて失敗したとF1ドライバーが言っているのは、ダウンフォースをつけすぎてストレートスピード等が遅くなった結果、ペースが上がらなくなってしまったということですね!
F1は天気の見極めもできないと速くなれないんだね。
そう、考えることが多いので、単純に走っているだけではないんだよ!F1の魅力についてもっと知りたい人は別記事もたくさん見ていってね!