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F1ではタイヤ交換がなぜ必要?一般車との違いやタイヤの構造は?

F1 Tire exchange why
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もんきち
もんきち

F1ではタイヤ交換はなぜ必要なのかな?普通の車だとしばらくタイヤ交換しなくてもいいのに。F1では1レースで2回も3回もタイヤ交換してる理由が知りたいよ!

かにぞう
かにぞう

確かに気になるね!その理由を一緒に見ていこう!

あなたはF1でタイヤ交換がなぜ必要なのか、はっきりと分かりますか?何となく、F1マシンが激しい動きをするからでしょ?とか、ルールで決まってるからでしょ?というくらいには理解しているかもしれません。でも、実際にタイヤにかかる力、明確に答えられますか?

F1マシンやタイヤにどれほど強い力が加わっているのか、順番にゆっくり見ていきましょう!

F1ではタイヤ交換はなぜ必要なの?

F1マシンのタイヤ交換の画像

結論から言うと、F1マシンにとんでもない力が加わるときに、タイヤが車体を安定化させており、その際にタイヤがすり減るためです!すごい勢いですり減るため、とてもではないけど同じタイヤでレースを終えることはできません。

ここからは、どれほどの力を受け止めているのか、そのタイヤの構造とともに見ていきます!

F1マシンにはどれほどの力がかかるのか?

F1マシンはコーナーを時速200㎞超で走るために、風の力を使っています。通常の車では、時速100㎞の速さで急カーブを曲がろうものなら、遠心力の力に負けて外へ弾き飛ばされてしまいそうになります。ですが、F1マシンは風をうまく車体にぶつけたり、車体底面と地面の間に吸引力を発生させたりしながら車体を地面に押し付けているため、時速200㎞超の速さで急カーブを曲がっても弾き飛ばされずに曲がりきることができます。

この時に車体が受ける風の力や地面との吸引力によって車体を地面に押し付ける力をダウンフォースといい、この力はわずか時速100㎞ほどの速さでも、トンネルの天井を逆さまに走れるくらいの力だといいます。F1マシンの重さは2023年では最低でも798㎏と規定があることから、時速100㎞で走るF1マシンのダウンフォースは798㎏以上となることが考えられます。

F1マシンのダウンフォースを説明する画像

また、F1マシンはとんでもない力を発揮するパワーユニットを積んでいます。パワーユニットとは、エンジンと2つの電気モーターからなり、これらを合わせての出力は合計で1000馬力にもなります。1馬力は「1秒間に75㎏の物体を1m動かす力」とされているため、1000馬力は、「1秒間に75000㎏(=75トン)の物体を1m動かす力」という想像もできないくらいの力です。

以上のように、F1マシンはとんでもない力で地面に押し付けられながら、驚異的な力で引きずり回されているわけです。

もんきち
もんきち

もしF1マシンが普通の人間だったら、擦り傷じゃすまないね~

そんな強力な力に耐えるために、F1ドライバーはしっかりとトレーニングをしています。F1ドライバーの首の太さやトレーニング方法を見れば、選手の努力の結晶を肌で感じられると思いますので、良ければそちらの記事もご覧ください!

ちなみに、通常(通常ではないかもしれませんが・・・)の国産車の最高出力は、日産GT-R Nismoの600馬力で、F1マシンのパワーユニットとは400馬力差があります。これは「1秒間に30トンの物体を1m動かす力」の差で、相当な差であることが分かります。

F1マシンにおけるタイヤの役割とは?

F1マシンにおいて、タイヤは地面と唯一接する部分です。どれだけ強いエンジンを積んでいようが、どれだけダウンフォースを生んでいようが、そのすべては地面に力が伝わっていなければ空回りに終わってしまいます。そういった意味では、タイヤは地面に力を伝える唯一の部分ですので、一番重要とも言えるかもしれません。

また、カーブで車体をブレさせずに走行させたり、ホイールスピン(加速時に力がうまく地面に伝わらずにホイールが空回りしてしまうこと)を起こさないように、しっかりと地面をとらえてグリップする役割も担っています。

まとめると、タイヤは車体を前に動かすための推進力を地面に伝えたり、ダウンフォースを地面に伝えたり、車体を安定化させるグリップ力を提供している部分となります。

かにぞう
かにぞう

車を安定して動かすためにとても重要だね!

F1用タイヤの構造ってどうなってるの?

F1用のタイヤの内部構造は、一般車の構造と変わりません。

ただ、大きく違うのはタイヤの表面の溝の有無です。一般車はどんな天候でも安全に走れるように、排水用の溝が付いています。これにより、タイヤと地面の間に水がたまるのを防いでアクアプレー二ング(教習で教わりましたね!)を起こさないようにしています。

対してF1用タイヤは、グリップ力が命です。グリップ力は、地面と接する面積が大きいほど強くなるため、排水用の溝なんてつけている暇はありません。グリップ力を向上させるには溝の部分ですら接地できないのが惜しいのです。そのため、つるつるの表面になっています。

F1のタイヤ交換はなぜ早い段階で必要なの?

F1マシンが高速で走る画像

ここまではF1マシンとタイヤにどれほど強力な力が加わるか、タイヤの構造とともに見てきました。ここからは、以上のことを踏まえて、どれくらいの早さでタイヤが摩耗してしまうのか、選手はその摩耗とどのように戦っているのかについてみていきます!

F1用のタイヤはどれくらい摩耗する?

ここまで見てきたように、F1マシンのタイヤはほとんどすべての力を地面に伝える役割を担っています。

F1用タイヤが受ける・伝える力

・強力なダウンフォース

・強力なパワーユニットの推進力

・時速200㎞以上でコーナリングする際の遠心力

それをタイヤのゴム(上記画像のトレッド部分)が地面に吸い付いて(グリップ力を発揮して)車体を安定化させているわけです。グリップする際にはやはりタイヤのゴムは地面と擦れるわけですから、タイヤのゴム部分がすぐに削れて行きます。これではすぐにボロボロになるのも理解できます。

F1用タイヤには5種類のゴム部分の硬さがあり、ゴム部分の硬さに応じてC1~C5と名前が付いています。C1が一番硬く、C5が一番柔らかいのですが、ゴム部分が柔らかい=グリップ力が強いということになります。つまり、柔らかいタイヤを装着したほうがコーナーを素早く安定して走れるため、1周のタイムが向上しますが、その分摩耗もしやすくなります。

サーキットによりますが、柔らかいタイヤでは10周前後で使い物にならなくなってきます。

かにぞう
かにぞう

F1用タイヤが摩耗していく過程は、お掃除道具のコロコロをイメージしてもらうと分かりやすいかもしれないね!

もんきち
もんきち

確かに、最初は粘着力があるけど、使っていくうちにどこにもくっつかなくなってくるね!F1用タイヤも同じイメージなんだね!

一般車ではF1マシンほどの力もコーナリング時のスピードも必要なく、安全に走行できるように設計されているため、摩耗が少なく、交換頻度が少ないのです。

F1ドライバーの腕の見せ所!タイヤマネージメント!

ここまで見てきた方は分かるかもしれませんが、逆にタイヤを摩耗させないようにするためには以下のことに注意すればいいわけです。

・コーナリング時、なるべく遠心力を発生させないようにコーナーの外側を、できるだけ直線軌道になるように走り抜ける。

・超低速から加速していく際にはいきなりエンジンを全開にせず、優しくアクセルを踏んでいく。

上の2点を注意しつつ走ってタイヤの寿命を持たせた方が、ピットストップによるタイムロスを防げるほか、ライバルがつるつるのタイヤに苦しむ中、まだまだグリップ力のあるタイヤでコーナーを高速で走れるます。そうするとライバルより1周のタイムが速くなり、ライバルに追いつけるし追い越せるのです。(ただ、タイヤマネージメントに注力すると、1周のタイムが本気で走った場合に比べて遅くなります。)

アレックス・アルボン選手はタイヤマネージメントが非常にうまく、同じタイヤで、レース開始から最終ラップを迎えるまで走り切ってしまったこともあります。

タイヤをどれだけ持たせながら走れるかも、F1ドライバーの技量で、見所の一つというわけです!

F1観戦は現地に行くとすべての迫力が段違いです!持ち物の説明もしていますので、現地で観戦される方・現地での観戦がどのようなものか知りたい方は、良ければ別記事もご覧ください!

F1でタイヤ交換はなぜ必要なのかのまとめ!

F1マシンがタイヤ交換を終えて走り始める画像

ここまで、タイヤにかかる力やタイヤに関することを見てきて、タイヤにどれだけ負担がかかるか、タイヤが戦略上どれだけ重要になるのか説明してきました。

まとめ

・F1用タイヤには想像を絶する力が加わる

・その力は一般車のそれとは比べ物にならない

・そのため、F1用タイヤはかなり早く摩耗し、すぐに交換が必要になる。

・タイヤは車体を安定化させるための重要なパーツ

・タイヤをいかに持たせるかがレースでも重要になってくる

もんきち
もんきち

F1においてタイヤがこんなにすごくて重要なパーツって知らなかったなぁ。

かにぞう
かにぞう

これでF1でタイヤ交換がなぜこんなにも早く必要なのかが理解できたね!タイヤ戦略にも注目して、F1観戦を楽しもう!

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