ロウリュが体に悪いってほんと?!巷の噂を効果とともに解説します!
ロウリュが体に悪いって聞いたんだけど本当?SNSでは良くない情報も目にするから不安になっちゃった。
実際のところどうなのかよく分からないよね。噂は本当なのか見ていくよ!
あなたはロウリュが体に悪いって聞いて不安になっていませんか?好きで入っているけどSNSでは体に悪いっていううわさが多いし、実際のところどうなんだろう?体に悪いんじゃやめた方がいいのかな?と思ってしまいますよね。
この記事では、まずロウリュの仕組みに触れた後、ロウリュは体に悪いのかどうか、サウナ・スパ健康アドバイザー、温泉ソムリエの私が効果とともに解説していきます!
目次
ロウリュは体に悪いって本当?
結論から言うと、ロウリュは正しいやり方、入り方をすれば体に悪いどころか、しっかりとした健康効果を得られます!ロウリュについての説明と、得られる健康効果、注意点について解説します。
そもそもロウリュって?
ロウリュはフィンランド語で「蒸気」を意味する「loyly」という言葉から派生した言葉です。その名の通り、サウナのストーブで高温に熱された石に、水をかけることで蒸気を発生させ、体感温度を上げるとともに、適度な湿度を加えることを指します。
日本では熱波師と呼ばれる人が、高温の石に水をかけて蒸気を発生させた後、タオルで仰いでくれるものが取り上げられていますが、これは「アウフグース」というものです。
本場フィンランドでのロウリュは、自分で石に水をかけ、蒸気を発生させて体感温度と湿度の上昇を楽しむものです。
ロウリュで暑くなる仕組みとは?
ロウリュをするとなぜ暑く感じるのでしょうか?
ロウリュをすると単純に室温が上がるからじゃないの?
と思われた方、実は違うんです!ロウリュをしても室温は変わらないどころか、少しだけ下がることもあるんです!
よくある日本のサウナ(高温ドライサウナ)は90℃~100℃近い室温だけど、ロウリュサウナは80℃前後で、暑いのが苦手な人でも入りやすいのが特徴だよ!
ロウリュで暑さを感じる原因は次の3つあり、湿度や水蒸気に関係しています。
このうち、特に②と③が大きな役割を果たしています。
①湿度が汗の蒸発に関係する
②水蒸気が体全体を包むように直接熱を運んでくる
③潜熱効果が発生する
①湿度が汗の蒸発に関係する
人間の体温が上がりすぎた時に、体温を下げるための機構として汗をかくというものがあります。皮膚表面に出てきた汗が蒸発するときに気化熱という現象を起こして、体から熱を奪います。これにより上がりすぎた体温を下げるのです。
ただ、湿度が高い空間にいると、汗が蒸発しにくくなります。というのも、空気はある一定程度の水分しか保持できないので、湿度が高い(=水分が多い)空気中には汗は蒸発しにくいのです。このため、気化熱により体温を下げにくくなり、体に熱が溜まる結果、暑いと感じるわけです。
②水蒸気が体全体を包むように直接熱を運んでくる
通常、熱は発生源から上昇し、天井などを伝っていく過程で冷やされ、下降してきます。すると、熱源でまた熱を帯び、上昇して天井を伝い、冷やされて下降してくる。このように室内で渦を作って対流しながら温度を形成しています。
そのため、熱源に近づかない限り直接熱源の高温を感じることは少ないです。
ただ、ロウリュで発生した水蒸気は一気に膨張し、直接体に熱を届けます。それも大きな体積で、体を覆うように届くのでとても暑く感じます。水蒸気の対流は、通常の熱の対流とは違うわけですね。
③潜熱による効果
気体が液体に戻る際には熱が放出されます。これを凝縮熱といい、水蒸気(気体)が水(液体)に戻る際も、水から熱が放出されます。
ロウリュで発生した大量の水蒸気を保持した空気は、皮膚の表面で冷やされると、水分を保持できなくなり、水分を吐き出します。この時、水蒸気となっていたものが水に戻ります(結露)。
冬に暖房の効いた部屋の窓にできるあの結露と同じイメージだよ!
ここで気体の状態から液体の状態に戻った水は熱を放出するわけですが、皮膚表面で熱を放出するので、人間の体は熱を感じます。これを潜熱といいます。
アウフグースで風を送られると暑いのも潜熱が関係しています。大量の水蒸気を体にぶつけられるので、その度に皮膚表面で結露が起き、潜熱が発生して暑く感じるのです。
ロウリュが体に悪いと言われる理由と健康効果について
ロウリュでは、上記の仕組みで体に熱が伝わった結果の効果や、湿度が高くなった結果の効果が得られます。まずはロウリュによる健康効果を説明した後に、体に悪いと言われる理由について見ていきます。
正しいロウリュで得られる健康効果とは?
通常のサウナよりも低温でしっかりと体感温度を上げられるため、体の負担が少なくサウナの効果が得られるのがロウリュの最大の利点です。
①デトックス効果
ロウリュにより体感温度が上がると、何としても身体を冷やそうと、さらに大量の汗をかきます。そのため、皮膚や毛穴に溜まった汚れが汗と一緒に流れ出て、デトックスされます。
②血行促進・疲労回復
体感温度が上がるので、体を冷やすために体の隅々まで血管が拡張します。そのため、血流が大いに改善し、細胞にたくさんの酸素が行き渡るとともに、細胞からごみを拾って細胞をきれいにしてくれます。筋肉のコリもほぐされ、疲労回復に役立ちます。
③安眠効果
人間は深部体温が下がってきたときに眠気を感じます。深部体温が下がってくるのは1~2時間ほどですので、その頃にベッドに入ると、ぐっすり眠ることができます!
スーパー銭湯では休憩所が設置されていることがほとんどですので、サウナ後に仮眠を取るのもいいですね!
④整いやすい
ロウリュサウナでは低い室温でもしっかり汗をかいて体の芯までしっかり温まれます。高温のドライサウナでは暑さゆえに耐えきれず、体の芯まで温まり切れずに出てしまうこともあります。整うにはサウナと水風呂での体温差が重要なので、よりしっかり温まることができるロウリュの方が、整いやすい可能性があります!
整うという感覚がいまいち分からないという方は、良ければ別記事もご覧ください!
⑤高温ドライサウナに比べて湿度が高く温度が低いので、喉や髪を守れる!
日本で一般的な高温ドライサウナは90~100℃の高い温度と、低い湿度が特徴です。それゆえに、喉を傷めたり、髪や肌を傷つけてしまう可能性が高くなります。
ロウリュサウナでは80℃前後で湿度も高いため、喉や髪・皮膚を高温ドライサウナほど傷めずに楽しむことができます。
ロウリュはいい効果がたくさんだね~
ロウリュが体に悪いと言われる理由について
ロウリュが体に悪いと言われる理由は、SNSでは以下のようなものがありました↓
①温度が高すぎるから体のダメージが大きい
②高温の水蒸気が迫ってくるため、呼吸するたびに喉にダメージを受ける
③同じく髪や肌にダメージを受ける
④生殖機能に影響が出る
ここまで読んでくれたあなたはもうお分かりですよね?
ロウリュサウナはドライサウナより温度が低く、湿度が高いため、喉や髪・肌を守りやすいんです。
世間で言われているのは、ロウリュをすることで体感温度がかなり高くなるため、その高温ゆえの体のダメージを心配してのことのようですが、①~③は正しくなさそうです。
ただし、④の生殖機能に影響があるというのは、一部本当のことです。ちなみにこれはロウリュのみではなくサウナでも言われることです。高温のサウナやロウリュでは、精子数が通常の約2/3に減ることが確認されています。ただ、サウナやロウリュ後5週間では通常の数に戻り、10週後には通常よりも数が増えたというデータもあります。影響が出るのは一時的なようなので、こちらも安心していいと思われます。
ロウリュをする際の注意点
健康効果抜群のロウリュですが、注意点も確かにあります。しっかり守らないとかえって体調が悪くなりますので、気を付けましょう。
①水分補給はいつも以上にしっかりと!
ロウリュでは通常のサウナ以上に汗をかきます。そのため、水分補給をおろそかにすると脱水症状を起こしやすくなります。浴場で倒れないためにも、サウナの前後ではしっかりと水分補給しましょう。
②我慢しすぎない
これは通常のサウナでも同じことですが、我慢して入り続けると、体が熱くなりすぎ、めまい貧血脱水症状が起きるとともに、肌・髪にも大きなダメージが加わります。きついと感じたら無理せずに出てしまって、休憩しましょう。
髪や肌を守ったり、のぼせるのを防止するにはサウナハットが有効です。
サウナハットについては別記事で解説しているので、よければこちらも良ければ見てみてください!
③他の人がいる場合はロウリュしていいか聞きましょう
サウナに入っている人の中には、ロウリュが苦手な人ももちろんいます。セルフロウリュができる場所では、自分の判断だけでロウリュをしてしまうと嫌な思いをする人が出てくることもあります。ロウリュする前に一度確認を取ってみましょう。
ロウリュは体に悪いのかについてのまとめ!
結論として、ロウリュは持病がない人が適度な入り方をしていれば体に悪いことほとんどなく、むしろ健康効果を得られます!
・ロウリュは低い温度で高い効果を得られるメリットがある
・適切に入っていれば世間で言われているような害はあまりない
・注意点を守らないと体にダメージが出る恐れがある
ロウリュの効果と注意点がしっかり分かったから、ちょっと安心したよ~
注意点を守って、適切にサウナとロウリュを楽しもうね!