サウナで筋肉が落ちるのは嘘?筋トレと筋肉痛への効果と注意点を解説!
SNSとかで、サウナで筋肉が落ちるって噂を聞いたんだけど、逆の意見もあったりして混乱してきたよ。どっちが本当なのかな?
SNSで言われてることって、どんな噂でも気になって心配になるよね。詳しく解説するから、一緒に勉強していこう!
あなたは今筋トレはしていますか?徐々に筋トレの効果が出てきて、やる気も出てきている人は多いのではないでしょうか?
では、サウナは好きですか?筋トレしているサウナ好きの方は意外と多いです。
そんな筋トレとサウナですが、SNSでは相性が良くないのでは?なんて発信している人もいます。逆に筋トレの後はサウナが効果的という情報も…
どっちが本当なの?!と思っている方へ、現役薬剤師でサウナ・スパ健康アドバイザー、温泉ソムリエマスターの私がしっかり解説します!
目次
サウナで筋肉が落ちるって本当?
SNSなどでは、サウナは筋肉が落ちるとか、サウナは筋肉の回復に悪影響とか、マイナスイメージの情報がたくさんあります。
その意見の多くは、「筋トレ後は筋肉に炎症が起きているから温めるのはよくない!」ということや、「グリコーゲンの再合成が高温下では遅れるので筋肉の回復が遅延する!」ということで、サウナは筋肉が落ちると言っています。
ですが、結論を言うと、その認識は少し違う可能性があります!
このパートではサウナで筋肉が落ちるというのは本当かどうかをしっかり解説していきます!
「筋トレ後は筋肉が炎症を起こしている」について
これに関しては、合っているところも間違っているところもあります。
激しい運動をした後や、かなりの高負荷をかけた筋トレを長時間行った後などは、筋肉が熱を持ち、強い痛みが出ることがあります。この状態は確かに炎症です。
炎症が起きていると、細胞への過剰なダメージが蓄積してしまうので、早く炎症を治めないといけません。それにはどうしたらいいのかというと、患部を冷やして安静にするんです。
なんだ、やっぱりサウナは筋肉に良くないのか。
と思った方!ちょっと待ってください。
すべての筋肉痛やトレーニングが、冷やす必要のある炎症につながっているとは限りません。
大谷翔平選手を含めたアスリートは、試合後に筋肉を冷やすアイシングをしているよね?温めてないじゃない!
という意見もあると思いますが、アスリートの運動をなめてはいけません。アスリートはプロの競技者として、試合に勝つために時には自分の限界を超えなければいけないこともあります。
また、日本中のほとんどの人が行っている日常の運動では足元にも及ばないくらいの高負荷の運動を、数日のインターバルで行わなければいけません。これは当然のように患部が熱を持ち、痛みが出る炎症まで到達してしまうこともあるでしょう。
アスリートは数日後にはまた最高のパフォーマンスを発揮するために、炎症は早く治めなければならないので、アイシングを行うのです。
そもそもですが、一般人はもとよりプロのアスリートでも、患部が熱感を持ったり痛みを伴うまで行うトレーニングは、負荷のかけ過ぎでケガの元です。やりすぎなので、サウナに入る入らないの議論以前の体調管理の問題です。
運動習慣の一環としてジムで筋トレしたりランニングしたりする程度であれば、冷却が必要な炎症にはなりにくいです。むしろ、温めて血流を増やすことで、疲労物質の除去や、筋肉に栄養を届けやすくなるので、筋肥大につながる可能性まであるのです。
この情報は論文を根拠にしていますので、次のパートで解説していきます。
実際に大谷翔平選手も、トレーニング後は通訳の一平さんにマッサージしてもらっているよ!マッサージは冷やすことで得られる消炎効果ではなく、血流が良くなることによる疲労物質の除去を目指しているので、温めるに近い行為だよね!
「グリコーゲンの再合成が抑制される」について
ある情報では、高温条件ではグリコーゲの再合成が抑制されるので、筋肉のダメージの回復が遅れるため、サウナは良くないと言っています。
グリコーゲンというものは、体内に貯蔵されるエネルギーで、筋肉にたくさん貯蔵されています。筋肉が運動するときはこのグリコーゲンを消費してエネルギーを得ます。しかし、グリコーゲンはエネルギーとしての貯蔵の効率が悪く、すぐに枯渇してしまうエネルギーです。
ある論文では、運動後に35℃の室内という高温条件で休んだ場合に通常よりもグリコーゲンの消費量が多くなったと記載されています。
ただ、グリコーゲンの消費・再合成と筋トレなどでできる筋肉の傷の回復は別物です。
グリコーゲンの消費が増え、貯蔵量が減ると、筋肉を動かすエネルギーが少なくなるので、筋肉を動かしづらく、疲労を感じることもありますが、グリコーゲンがなくなるから筋肉が傷ついて落ちるわけではありません。ただ、エネルギーがなくなって動かしづらくなるだけです。
サウナの筋トレと筋肉痛への効果!
上のパートでは、サウナでは筋肉は落ちないということを説明してきました。
ここからは、サウナによって得られる筋肉へのメリットを解説していきます!
骨格筋肥大を促進させる可能性がある!
こちらは、ヒトを対象にサウナ浴が体に及ぼす影響を調べたデータです。
今までは、マウスで実験した論文はあり、温めると筋肥大に効果的な可能性があるとの結果がありましたが、このデータの結果からヒトでも同じことが言える可能性があるようです。
ただ、被験者数が少ないため、より正確なデータを得るにはもっと大規模な試験を行う必要があるようです。
※ちなみに、マウスでの論文は、ボディビルダーの世界大会で優勝した経験を持ち、数多くの有名アスリートを指導した経験もある筋肉博士の山本義徳さんも引用して、筋肉とサウナのいい関係をyou tubeで解説しています。
このヒトでのデータでは、筋肥大以外にもメリットがあると書いてあるよ!
また、日本での実験では、低強度の運動(ストレッチや屈伸等)では、熱を加えることで筋肥大が誘発される可能性があるという結果が出ています。
”健康なヒトにおける熱ストレスを伴う低強度運動によって誘発される骨格筋肥大”
このように、炎症までいかない筋疲労には、熱を加えると回復が促進され、筋肥大に効果的とのデータが徐々に出てきています。
筋トレ後の疲労を早期に回復させる!
筋トレ後は筋肉に乳酸などの疲労物質が溜まり、それが筋肉の疲労感やコリなどにつながります。これの疲労物質を除去するには血流に乗せて体外へ排出しなければなりません。
サウナに限らず、ストレッチやマッサージ、入浴などは筋肉への血流を増加させるため、運動後に溜まった乳酸などの疲労物質を、より短時間に多く排出することができます。
すると、コリや疲労感が早期に改善するだけでなく、コリや疲労感を感じない可能性すらあります。
ぬるめのお風呂は、ただ温まることに加えて、水圧による軽いマッサージ効果なども得られるから、サウナに追加すると効果的だよ!
気をつけないと筋肉への悪影響も!
ここまでで、サウナでは筋肉は落ちないこと、温めると疲労回復と筋肥大にも効果的な可能性があることを説明してきました。
ですが、サウナへの入り方を間違えると、筋肉の傷がひどくなってしまったり、炎症がひどくなってしまう可能性があるので、注意点を解説していきます。
脱水には十分注意!
筋肉の疲労回復や筋肥大には血流が大切なことは解説してきましたが、筋トレやサウナでは大量の汗をかくので、脱水傾向になりやすいです。
脱水傾向になると全身を循環する血液量が減るので、筋肉に届く血流も減ります。
サウナで脱水にならなければ減らなかったはずの血流が減ってしまった結果、余計乳酸などの疲労物質の排出が滞り筋肉の疲労やコリがひどくなったり、最悪の場合は炎症に発展する可能性もあります。
筋トレ中から水分補給は意識的に行い、サウナ前後にもしっかりと水分補給は行うようにしましょう。脱水の状態にならないように注意してください。
熱感や腫れ、痛みがある場合は冷やす!
筋肉が熱を持ったり腫れていたり痛みがある場合は、既に炎症がひどくなっている証拠です。
この状態でサウナに入ってしまうと、炎症が余計ひどくなり、治るまでに時間がかかる可能性があります。
筋トレ後の心地よい疲労感であればサウナは効果的ですが、炎症の可能性が少しでもあるようならサウナは避けて冷やしたり安静にした方がいいです。
線引きが難しいですが、疑わしいときは安全策を取りましょう。
サウナで筋肉が落ちるのかまとめ!
この記事ではサウナは筋肉が落ちるのか?という話題について解説してきました。
・ひどい炎症までいかない筋疲労には温めて血流を増やすのがおすすめ
・温めることは筋肥大や疲労回復に良い影響がある可能性がある
・ただし、サウナで脱水になると筋肉には悪影響がある
・赤みや腫れ・熱感や痛みがある場合は冷やして安静にする
心地よい疲労感の筋トレ後やスポーツ後であれば、温める方が効果的なんだね!安心した!
今はジムにサウナが付いている施設も多いけど、理にかなってるよね!
ご自身の筋肉の状態を確認して、ひどい炎症が起きていなければ、サウナに入って帰るというのもいいと思います!
サウナも筋トレも楽しみましょう!