菖蒲湯は女の子でも入っていい?5月の季節湯の効能や由来を解説!
菖蒲湯って女の子は入っていいのかな?男の子が入るイメージだけど、女の子は入っちゃダメってことはある?そもそもどんな効果があるの?
確かに、菖蒲湯って男の子のイメージだよね!菖蒲湯は女の子でも入っていいのか、どんな効果があるのか、作り方まで解説するよ!
あなたは菖蒲湯についてどれくらい知っていますか?こどもの日に入ることで有名ですが、女の子は入っていいのでしょうか?
菖蒲湯の由来と効能効果を知れば、女の子が入っても大丈夫かどうか判断できるようになります!
この記事ではそんな菖蒲湯の由来や効能効果まで、現役薬剤師でサウナスパ健康アドバイザー、温泉ソムリエマスターの筆者が詳しく解説していきます!
目次
菖蒲湯ってなに?
菖蒲湯とは、菖蒲の根や葉を入れたお風呂のことです。菖蒲湯は5月5日のこどもの日に入るイメージがありますが、5月の季節風呂でもあり、5月5日にしか入らないというわけではありません。
この菖蒲湯、歴史がかなり古く、戦国時代の書物にはすでに登場していたようです。
ここでは菖蒲を「勝負」「丈夫」などにかけて、戦い事への勝利の験担ぎ(げんかつぎ)や、体が丈夫になるようにという願掛けを行っていたようです。
菖蒲の葉が剣のように細く鋭く尖っていることもあって験担ぎになったんだって!
また、古代中国では、5月は雨期でした。この雨季には病気が蔓延したり災いが起こることが多かったため、匂いの強い菖蒲を使用して邪気を払うということがなされていたようです。
その名残が今でも残っており、男の子が強く健康に育つようにという願いを込めてこどもの日=男の子の節句に菖蒲湯に入るようです。
菖蒲湯は夏の季語でもあるから、俳句でも良く詠まれてるみたいだね!
菖蒲湯の効能って?
上記のように古来から愛されてきた菖蒲ですが、どのような効果があるのでしょうか?
このパートでは、菖蒲に含まれる
αアサロン、βアサロン
オイゲノール、メチルオイゲノール
セスキテルペン、モノテルペン
という成分とその効果を解説していきます。
α-アサロン・β-アサロン
αアサロンとβアサロンは非常に香りのよい精油成分です。
どちらも効果は同じようなもので、芳香健胃薬としての効果の他に、鎮痛作用、抗うつ作用、抗酸化作用など、様々な効果を発揮します。
ただ注意が必要なのがこのアサロン、体内で発がん性物質を生じる「前発がん物質」というものです。
一度に大量の摂取・使用は避けた方がいいですが、菖蒲湯にしたり頭に巻くくらいではリスクはかなーり低いです。
また、例え体内に摂取しても急速に分解されるため、一度にかなり大量に摂取をしなければリスクは低いとされています。
よって、過度に怖がらなくても全然大丈夫です。5月の季節湯に指定されるくらいです。昔からたくさん菖蒲湯に入っている人でも健康な人はたくさんいますし、むしろ健康な人がほとんどです。
菖蒲湯にするくらいでは大丈夫だけど、一度にたくさん摂取するのはやめた方が良さそうだね!
オイゲノール・メチルオイゲノール
こちらは別の植物の丁字(チョウジ)の香りの素となる成分です。
これらの成分にも健胃効果があるのと、抗菌効果があります。
お風呂に入れることでこの抗菌効果を得ることができますので、細菌が原因の皮膚炎なんかには効くかもしれません。
オイゲノールに関しては、鎮痛効果があるため、歯科の麻酔にも一部含まれています。
植物って抗菌効果があるものが多いんだね!
セスキテルペン・モノテルペン
これらは芳香成分です。この名前は総称でして、菖蒲に含まれるセスキテルペンはショーブノン、モノテルペンはリモネンなどが該当します。
ショーブノンは菖蒲特有の香りを形成しており、リモネンは柑橘系の爽やかな匂いを形成する成分です。
これらの香りは、嗅ぐことでリラックス効果や抗うつ効果などを得ることができます。
また、血行促進効果もありますので、血行不良による腰痛や肩こりには効くかもしれません。
その他にも菖蒲根エキスというものには、シミ防止や抗アレルギー効果があるみたいだけど、エタノールで成分を抽出したり、一般的な菖蒲湯に使う菖蒲とは品種が違ったりするみたいだね。
菖蒲でシミ防止やかゆみ防止の効果を得るのは専門的な技術が必要なんだね。
菖蒲湯は女の子でも入っていい?
上記のように、健康効果が得られる菖蒲湯ですが、女の子は入ってもいいのでしょうか?
こちらに関しては、入っても問題ありません。むしろ健康効果が得られるので、積極的に入るべきです。
様々な情報を見てみても、菖蒲湯に女の子が入ると良くないという云われや言い伝え、風習などは一切見当たりませんでした。
健康以外に、そのような言い伝えの部分でも入っていいものか心配されている方もご安心ください!
言い伝えでも問題なさそうなら、女の子でも積極的に入りたいね!
菖蒲湯の作り方
菖蒲湯に使用する菖蒲はサトイモ科の菖蒲です。アヤメ科の花菖蒲ではありませんのでご注意ください。
花菖蒲は上の写真のようにきれいな紫の花が咲きますが、サトイモ科の菖蒲は花こそ咲きますが、花菖蒲のようにきれいな花ではなく、長細いタワシのような花です。
お飾りに使用した花菖蒲では菖蒲湯の効果は得られませんのでご注意ください。
手順は簡単です。
①菖蒲の葉や茎、根を2㎝程に刻む
②刻んだものをネットなどに入れて熱湯を注ぎ、10分程度蒸らす
③蒸らしたものをネットに入れた菖蒲と液体ごとお風呂に入れる
①菖蒲の葉を茎や根が付いたまま5~10本ほど浴槽が空のうちから入れておく
②少し高めの温度設定(43度くらい)でお風呂を沸かす
菖蒲の香りは葉から、効果は根や茎から出てきます。
サトイモ科の菖蒲は薬局などで売っているみたいだよ!
菖蒲湯は女の子でも入っていい?効能等まとめ
・菖蒲は古くから日本や中国で愛されている植物
・菖蒲湯では、血行促進、リラックス効果、抗菌効果、抗うつ効果が得られる
・菖蒲湯に女の子が入っても何の問題もない
・作り方は熱めのお風呂に入れるだけでOK(刻んで煮出してもOK)
菖蒲湯って単なる風習だと思ってたけど、しっかり効果があるんだね!女の子も入っていいなら安心だね!
そうだね!5月の季節湯だし、子供の日だけではなくてその他の日も入ってみてもいいね!
菖蒲湯はいい香りがしますし、お風呂はリラックスできる場所ですので、この機会にご自宅でも試してみてください!