食用菊はお風呂に使える?9月の季節湯の菊湯の効能効果や作り方解説!
食用菊ってお風呂に使えるのかな?9月の季節湯は菊湯だと思うんだけど、お惣菜とかに付いてる菊でも効能効果はあるのかな?って気になっちゃって・・
考えたこともなかったけど、確かに気になるね!しっかり解説していくよ!
あなたは、食用菊はお風呂に使えると思いますか?
食用菊って飾りの役割がほとんどで捨ててしまう人も多いと思います。
せっかくなら何かに使えたら・・ということで、9月の季節湯である菊湯にできたら手軽に活用できていいなと思いませんか?
この記事では、食用菊はお風呂に使えるのか、菊湯の効能や効果はどんなものがあるのかについて現役薬剤師でサウナスパ健康アドバイザーで温泉ソムリエマスターの筆者が解説していきます!
菊湯ってなに?
菊湯は12種類ある季節湯のうち、9月の季節湯です。
中国では菊は、厄を払う長寿の薬草とされており、お風呂だけではなくお茶やお酒にも使用されるようです。
旧暦の9月9日は重陽の節句といい邪気を払って長寿を祈る際に菊を使ったお酒を飲んだり菊を飾ったりしてお祝いするようです。
菊湯として一番使用される菊は上記の写真にもあるリュウノウギクという品種です。
リュウノウギクは観賞用の豪華な菊の見た目とは少し違いますが、野草として秋ごろから生えてくる菊の一種です。
菊湯の効能効果って?
そんな菊湯ですが、どんな効果があるのでしょうか?
このパートでは菊湯の
・血行促進効果
・消炎鎮痛効果
・抗菌効果
・リラックス効果
について解説していきます。
菊湯の効果は菊に含まれるカンフェンやリナリルアセテートという成分によるものだよ!
血行促進効果
菊に含まれるカンフェンという成分は、適度に皮膚を刺激してくれます。
この刺激によって手足の先の末梢血管までしっかり広げることで血流を増やし、この血流によって体を温めます。
血流が増えることで、細胞からの老廃物もしっかり流すことができるので、デトックスにもなります。
夏で疲れが溜まった体には菊湯で血行を促進するのが良さそうだね!
消炎鎮痛効果
また、カンフェンには消炎鎮痛効果があります。
カンフェンの消炎鎮痛効果の作用をデータで示せるものがなかったので、その効果を示す例として漢方の説明をします。
100以上の種類がある漢方薬の中に、釣藤散という漢方があります。
菊はこの漢方の中でキクカという名前で含まれています。
釣藤散は慢性的な重い頭痛がある人に効果がある漢方で、メインで効果を発揮するのはチョトウコウという生薬です。
キクカはこのチョトウコウの作用を補助する目的で配合されており、医学的にもその鎮痛効果が認められています。
漢方にも含まれているなんて、効果の信ぴょう性が高いね!
抗菌作用
さらにカンフェンには抗菌作用があります。
大腸菌や黄色ブドウ球菌、さらにはカビ類の増殖を抑制したデータがしっかりと残されています。
このデータから、少なくとも4種類の細菌に対して増殖を抑制したということが分かるよ!
食用菊がお刺身とかに飾られているのはこの抗菌作用によってお刺身やお惣菜がダメにならないようになんだよ!
リラックス作用
さらにさらに、カンフェンやリナリルアセテートにはリラックス効果(鎮静作用)があり、柑橘系の香りの素であるリモネンと同様にアロマテラピーとしての効果があります。
カンフェンはローズマリー、リナリルアセテートはベルガモットやラベンダーにも含まれている成分なんだって!これはリラックスできそうだね!
特にカンフェンは室温で気体となる性質があり、お風呂で使用すれば湯気と一緒にカンフェンを吸い込むことになり、しっかりとリラックス効果が得られます。
このデータでは、アロママッサージというアロマオイルを使用したマッサージが免疫向上・ストレス低減に有効ということがかかれているよ!菊湯に入りながら自分でマッサージしても同じ効果が得られるかもしれないよ!
食用菊はお風呂に使える?
ここまでで、リュウノウギクという野生の菊は菊湯として使用するとたくさんの効果が得られることが分かりました。
では、他の菊を使用しても同様の効果は得られるのでしょうか?
特にそのまま捨ててしまうことの多い食用菊は菊湯として使用できるのでしょうか?
公益社団法人日本薬学会のページでは、食用菊に使用される菊のうちC. morifoliumという品種にはカンフェンが含まれていることが記述されています。
菊湯の効果を発揮するための成分はカンフェンなので、食用菊として使用されるC. morifoliumという菊の品種でも菊湯にして効果を得ることは可能です!
また、他の観賞用の菊にも同様の成分が含まれており、菊湯に使用することが可能なようです。
食用菊とかを使う時は1~2日くらい日陰で乾燥させてから使った方がいいみたいだよ!
菊湯の作り方は?
カンフェンは菊の全草に含まれるので、花や葉・茎などすべてを菊湯として使用してOKです。
生の菊の場合は1~2日日陰干ししたのちに使用します。
菊茶など、もともと乾燥しているものはそのまま使用します。
花や葉・茎などすべての部分を細かく刻み、そのうちの30g程を100円ショップなどに売っているお茶パックに入れます。
その後、熱湯をかけたら15分程蒸らして成分を抽出します。
抽出したらそれをパックごとお風呂に入れたら完成です。
菊の花を生のままお風呂に浮かべても問題ないよ!見た目がきれいだから、煮出した成分と一緒にきれいな花びらを浮かべてもいいかも!
食用菊はお風呂に使えるか等まとめ!
この記事では、菊湯の効能効果、作り方、食用菊で代用可能かについて解説してきました。
・菊は古来から中国では重要な薬草として重宝されていた。
・菊湯には血行促進、消炎鎮痛、抗菌、リラックス効果がある。
・この効果を発揮するメインの成分はカンフェン。
・通常はリュウノウギクを使用するが、食用菊でも代用可能。
・乾燥した菊の全草を刻んで熱湯で煮出して菊湯にする。
食用菊でもお風呂に使えるなら菊湯にしやすいね!たくさん効果があるからうれしいね!
夏の疲れた体を癒すにはピッタリの薬湯だから、良かったら家でやってみてね!
菊湯は夏バテで弱った体を元気にしてくれます。湯治として、菊が手に入ったらお風呂にするという選択肢も検討してみてください!