お風呂後のウォーキングはあり?ダイエット効果は出るのか等解説します!
お風呂後のウォーキングってありかな?お風呂の後だとたくさん汗をかけて運動した気持ちになるんだけど、いつも以上に効果はあったりするのかな?
汗をたくさんかくといつもより運動できた気がするよね!実際の効果と運動とお風呂の理想的な順番について解説するよ!
あなたはお風呂後にウォーキングをしたことはありますか?
お風呂の後にウォーキングをするといつもよりたくさん汗をかくので、いつも以上に運動できた気がしますよね。
でも実際の効果はどうなのか、よく分からないのが本当のところだと思います。
効果がないのならお風呂の後に汗をかくのは嫌なので避けたい人もいるのではないでしょうか?
この記事では、お風呂の後のウォーキングは効果があるのか、お風呂と運動の理想的な順番も含めて、現役薬剤師でサウナ・スパ健康アドバイザー、温泉ソムリエマスターの筆者がしっかり解説していきます。
お風呂後のウォーキングは効果あり?
結論から言うと、お風呂後のウォーキングは通常のウォーキングのみに比べてもあまり効果がないと思われます。
汗をたくさんかけば脂肪がたくさん燃焼するというわけではありません。
ただ、タイミングに関係なく、入浴を習慣にすることで脂肪燃焼をしやすい体になることはできると思われます。
その理由を
・有酸素運動と脂肪燃焼の関係
・お風呂の消費カロリー量
・お風呂の効果
の3点から解説したいと思います。
少し難しい話もあるかもしれないけど、分かりやすく解説するので、一緒に見ていこう!
有酸素運動と脂肪燃焼の関係
よく有酸素運動は脂肪燃焼にいいと聞くと思います。それは、運動の種類によって使用するエネルギー源が以下のように違うからです。
・無酸素運動:糖質
・有酸素運動:糖質+脂質
無酸素運動は高負荷の筋トレや100m走など、短期的に爆発的な運動をしなければいけないものが該当します。
身体に酸素を取り込む量が酸素を消費する量より少なくなると、脂肪を燃やしてエネルギーを得ることが難しくなるため糖質を燃やしてエネルギーを得ます。
脂肪より糖質の方がエネルギーとして瞬時に身体で利用できるんだよ!
対して有酸素運動はウォーキングやジョギング、水泳など、比較的軽い運動を長期的に続けるような運動のことを指します。
比較的軽い運動では、身体に酸素を取り込む量が、運動により消費される量を下回りにくく、脂肪を燃やしてエネルギーを得ることができます。
有酸素運動では脂肪と糖質からエネルギーを得る割合は1:1程度とされています。
無酸素運動だと脂肪は燃焼しにくいけど、有酸素運動では燃焼しやすいんだね!
お風呂はどちらかというと有酸素運動に近いので、脂肪燃焼は起こるかもしれませんが、消費できるエネルギーが少なすぎてダイエットとしてはほとんど無意味な領域です。
また、お風呂後にウォーキングすると汗をかきやすくなるのは身体が温まっているからで、脂肪が燃焼しやすい状態になっているわけではありません。
どれくらいのカロリー消費になるのか、次にお風呂の消費カロリーを見ていきます。
お風呂の消費カロリー
入浴による消費カロリーはMETs(Metabolic EquivalenTS=メッツ)で計算できます。
メッツとは身体活動の強さを安静時の何倍に相当するかを表した単位です。
座っている状態が1メッツだよ!座って40℃のお湯に浸かっている時は1.5メッツ程度みたいだよ!
このMETsを用いて消費カロリー計算ができます。
その計算式がこちらです!
METs×体重(kg)×運動時間(h)×1.05(安静時のエネルギー消費量)
体重が60㎏の方が、40℃の湯船に座って(=1.5METs)、20分(=0.33時間)浸かる時の消費カロリーは式に当てはめると
1.5(METs)×60(kg)×0.33(h)×1.05=31.185kcalとなります。
これはみかん1個分とほぼ同じカロリーです。
計算のうちの体重のところを自分の体重に置き換えて計算すると、自分のお風呂での消費カロリーが分かるんだね!
仮に入浴を有酸素運動と考えた場合に、糖質と脂肪が1:1の割合で消費されるので、脂肪の燃焼によって消費されるエネルギーは31.185÷2で約15kcalほどです。
脂肪は1gで7~8kcalを消費するので、体重60kgの人が40℃のお湯に20分座って浸かっただけだと脂肪は15÷7~8で約2gしか燃焼されません。
お風呂だけで脂肪を1kg落とそうと考えたら、約1週間40℃のお湯にずっと入り続けないといけない計算になるよ!現実的ではないね!
そんなに頑張ってもたったの1kgしか落とせないんだね…
また、糖質は1gで4kcalなので、糖質としても3.75gしか減らせません。これではダイエットはもちろんのこと、糖質を消費し尽くして脂肪燃焼に切り替えようと思っても不十分です。
人間はすごく頑張れば糖質を2000kcal=500g分身体に蓄えられるよ!
じゃあ、お風呂では糖質も身体に蓄えた分の0.75%しか消費できないんだね。
よって、ウォーキング前のお風呂は、ただ汗をかくだけで脂肪燃焼にはほとんど意味がないことが分かりました。
お風呂では筋肉が温まってほぐれるので、身体を動かしやすくなる効果はあると思うよ!準備運動の代わりにお風呂に入るのはありかもしれないね!
ただ、お風呂に入ることは決して無意味なことではありません。次の項目でお風呂に入ることで期待できる効果を解説します。
お風呂の効果
前の2項目で、ウォーキングの前にお風呂に入っても、追加のダイエット効果を得られる可能性はほとんどないことが分かりました。
では、お風呂をないがしろにしてよいのかというとそうではありません。
運動の前にしても後にしても、湯船にしっかり浸かると、脂肪を燃焼させやすい体に変化します。
その理由は甲状腺ホルモンが活発に分泌されるようになるため!
甲状腺ホルモンは、交感神経を活発にする方向に働くホルモンです。交感神経は、全身の代謝を促進し、体温や心拍数を上げたり呼吸を早くしたりすることにも関係しています。
そのため、代謝が良くなる結果、エネルギー消費が大きくなり、脂肪が燃焼されやすくなるのです。
ウォーキング前のお風呂にはあまり追加的な効果は望めないけど、お風呂に入り続けることで代謝の良い体を作ることができるんだね!
お風呂とウォーキングの理想の順番は?
では、お風呂と運動のタイミングはどのようにしたら理想的なのでしょうか?
ここでは、「仕事終わりに帰宅後ウォーキングをする」という想定で理想の順番を考えていきます。
この時に
・「運動前の入浴」に運動のダイエット効果を上昇させる効果はほとんどない
・運動後すぐに熱いお湯に入ると脂肪燃焼効果が低下する
・食後すぐにお風呂に入ると消化不良を起こす可能性がある
・運動後のストレッチは筋肉の疲労回復に大きく関与する
・お風呂と夕食は寝る2時間前までに済ませると睡眠の質が上がる
ということを知っていればおのずと順番が決まってきます。
食事のすぐ後にお風呂に入るとなぜ良くないのか知りたい方はこの記事も読んでみてください!サウナの記事ですがお風呂にも言えることです!
では、どのような順番が理想的なのかというと
ウォーキング→クールダウンのストレッチ→お風呂→夕食
という順番が理想的だと思います。
あくまで「理想的な」順番なので、そんな時間はないよ!という方はそれぞれの順番の意味だけ知っておけば大丈夫だよ!
ウォーキング前にお風呂に入っても、ウォーキングで汗をかいたらもう一度入らないといけないのはめんどくさいし、この順番は納得だね!
順番についての簡単な解説
ウォーキングなどの運動の後は筋肉が傷つき損傷していると共に、老廃物がたくさんたまっています。これを放置すると筋肉痛になりやすくなります。
この時には損傷した筋肉へ血流を増やして、老廃物や疲労物質を排除するとともに、たんぱく質などの筋肉の修復素材を届ける必要があります。そのためにストレッチやお風呂が必要になってきます。
筋肉がかなり熱を持っていたり痛みがある場合はお風呂で温めるより、まず冷やすことが大切だよ!
また、運動直後にお風呂にすぐ入ってしまうと、身体に熱がこもってしまい損傷がうまく回復しなかったり、リパーゼという脂肪分解酵素がうまく働かなかったりします。
リパーゼによる脂肪分解は運動終了後30分程度は持続するようです。
運動した後も脂肪燃焼効果は続くんだね!
そのため、まずは水分補給とストレッチを行い、筋肉への血流を増やしつつ体を休めてあげましょう!
その後40℃くらいのぬるめのお湯につかることで疲労回復が加速します。42℃の熱めのお湯にしてしまうと、交感神経が活発になって体がうまく休まりません。
食事は別記事で解説している通り、消化不良を起こす可能性があるのでお風呂の後にします。
お風呂後のウォーキングについてまとめ!
・ウォーキング前のお風呂は汗をかくだけであまり意味はない
・脂肪燃焼には有酸素運動が大切
・お風呂の消費カロリーは微々たるもの
・お風呂に継続して入ると甲状腺ホルモンが分泌されて代謝が上がる
・ウォーキング→ストレッチ→お風呂→ご飯が理想の順番
ウォーキングとお風呂の関係についてよく分かったよ!これからは運動した後にゆっくりとぬるめのお風呂に入ることにするよ!
それがいいね!うまく身体のケアの時間を取って体も心も健康を保とうね!
忙しい現代人は、平日はこんなに時間は取れないと思いますが、休日には意識してこのルーティンを実践してみてもいいと思います!
みんなで楽しく運動して、楽しくお風呂に入って身体のケアをしましょう!