みかん風呂の皮は干さない?干した時との効果の違いや作り方等解説!【11月の季節湯】
みかん風呂に入れる皮って干さないで入れるもの?干した時とどういう違いがあるの?
みかん風呂の皮は干さないという意見だったり、干すという意見があって、どっちがいいのか分からないよね。干した時と干さないで入れた時の効果の違いなどを解説していくよ!
あなたはみかん風呂に入りますか?
みかん風呂は11月の季節湯にも指定されていて、ゆず湯と並んでなじみのある薬湯かもしれません。
その際に、みかんの皮は干したものを入れますか?生のまま入れますか?
どっちの方が効果があるのか、気になりませんか?
この記事では、みかん風呂の皮は干さない方がいいのか、干した方がいいのか、現役薬剤師でサウナスパ健康アドバイザー、温泉ソムリエマスターの筆者が詳しく解説します。
目次
みかん風呂って?
みかん風呂はその名の通り、みかんを使用した薬湯のことで、11月の季節湯にも指定されている古くからなじみのあるお風呂です。
通常はみかんの皮をお風呂に入れて薬湯としての効果を得ます。
みかんの皮を乾燥して長期間経過したものは陳皮と呼ばれ、漢方の重要な生薬として古くから用いられてきた天然の薬です。
陳皮の「陳」という文字は古いという意味で陳皮は経過時間が長ければ長いほど質が高いものです。
陳皮はただみかんの皮を乾燥させただけではいけなくて、最低でも1年以上経過したものでないと陳皮と呼ばれないんだよ!
みかん風呂の効能効果とは?
11月の季節湯にもなっているみかん風呂ですが、実際の効果はどのようなものがあるのでしょうか?
このパートではみかん風呂の効果を
・血流促進効果
・保温効果
・リラックス効果
の3つから見ていきたいと思います。
血流促進効果
みかんを含めた柑橘系には、リモネンとテルピネンという物質が含まれています。
これらの物質は末梢の血管を拡張させ、体の末端の冷えを解消することが可能です。
特にテルピネンの血流促進効果はしっかりと実験で確認されていて、皮膚からの吸収でもしっかり効果が出ています。
つまり、お風呂でも成分に肌が触れれば効果がきちんと出るということです。
テルピネンには動脈を支配している交感神経の電気的刺激を低下させる効果があるとこのデータでは言っているよ!
交感神経が刺激されて興奮すると血管は縮まって、刺激が低下して興奮が治まると血管が広がるんだよね!
保温効果
みかんの皮に含まれるリモネンには、保温効果もあります。
一説には肌に膜を作って体温が奪われるのを防ぐという効果もあるようですが、きちんとしたデータを載せている論文や症例報告などは見つけられませんでした。
ただ、リモネンには適度に交感神経を活性化させ、心臓の働きを強めて体温を上昇させる効果は認められているようです。
この効果は長く続くようで、リモネンによる保温効果は湯上り後50分続いたとするデータもあるようです。
テルピネンでは交感神経を抑えて血管を広げてたけど、リモネンは交感神経を刺激するなら、それぞれ反対の効果じゃないの?
難しいよね!まずリモネンは、呼吸で体内に取り込まれて中枢(=体全体)が適度に興奮して、心臓の働きを強めて体温を上昇させる。対してテルピネンは、皮膚から直接作用して、末梢の血管に対して(=一部分に対して)リモネンの交感神経の活性化を穏やかにするから、2つの成分が共同で働いてると考えるといいと思うよ!
リラックス効果
こちらもリモネンが関与しています。
柑橘系の匂いの代表であるリモネンは、呼吸から体内に吸収されると、脳に2種類の影響を与えます。
1つ目は、リラックスしている状態の時の脳波であるα波を出現させること。
これにより脳がリラックスしていると感じ、体全体が休まります。
柑橘系の匂いを嗅ぐとすごく落ち着くよね!
2つ目は適度な興奮状態になること。
これは保温効果のところでも解説しましたが、リモネンには交感神経を適度に活性化させる働きがあります。
これにより、脳の血流が維持され、リラックスしながらも頭がすっきりする効果が出ます。
体が休まりすぎないから、仕事で疲れた時なんかは柑橘系の匂いを嗅ぐとリフレッシュ出来ていいかもしれないね!
アロマテラピーにもよく使用される柑橘系の匂いですが、しっかりとリラックス効果が確認され、細菌では認知症に対する効果の研究もされています。
みかん風呂の皮は干さない?干す?
上記のように体に良い効果のあるみかん風呂ですが、ここで気になるのが、みかんの皮は干して使うのか、生のまま使うのかだと思います。
世の中の意見としては、みかんの皮を干すという意見と干さないという意見両方あって、どちらがいいのか判断しづらいと思います。
結局は干しても干さなくてもどちらでもいいのですが、それではつまらないですので、筆者の意見を述べたいと思います。
筆者としてはみかんの皮は干した方が良いと思います。
干さずに生で使った方がいいって言ってほしかったなぁ~
干した方がいい理由は大きく以下の2つです。
・干した方が万人に使用できる
・干した方がソラレンの量がより少なくなる(干さなくても気にしなくていいレベルではある)
理由の1つ目は干した方が万人に使用できるからです。
みかんの皮は生の状態では薬効が強すぎる傾向があります。
干した方が余計な成分が飛んでいくため効果が穏やかになり、老若男女万人に対しての薬となるのだそうです。
理由の2つ目がソラレンです。
こちらは世間でも噂されていますが、光毒性があるのでは?というお話です。
ソラレンは光を吸収する性質があるので、シミや日焼けをしやすくなるのではないか?という話があります。
ただ、食物に含まれるソラレンは極微量で、オレンジなんかでは一度に30㎏摂取して初めて影響が出るか出ないかのラインというものです。
そこまで過剰に気にする必要はないと考えますが、気になる方は干した方がソラレンの量がさらに減りますので、干してから使った方がいいでしょう。
ソラレンの影響は15㎎摂取で出始めるとする論文があるよ!ソラレンを10㎎摂取するのに、オレンジでは30㎏必要だよ!
みかん風呂の作り方は?
ここまで見てきたように、寒くなる11月からのお風呂としてはとても良い効果のあるみかん風呂ですが、どのように自宅で作るのでしょうか?
このパートでは皮を干す方法と干さない方法の2パターン見ていきたいと思います。
みかんの皮を干す方法
みかんの皮を、みかん5つ分用意する。
皮を細かくちぎって5~7日ほど日陰でカラカラになるまで干します。
これを粉々に砕くか、そのままの状態で100円ショップなどで売っているお茶パックなどに入れてお湯張り開始と同時に浴槽に入れます。
そんなに長期間乾燥するのを待てないという人はレンジを使用してもいいよ!
レンジでみかんの皮を干す場合は、500Wでまずは2分。つぎにひっくり返して1分半。これで水分が抜けてパリッとしたらOKです。
筆者はパリッとしなかったので、粗熱を取らずにさらに連続で30秒加熱したら丸焦げになり、1週間ほど焦げ臭さが部屋中に充満しました。
加熱する際は皮の状態をよくよく観察しながら行ってください。
隣の部屋の人が火事かと思って出てくるくらい煙とにおいがすごくなるよ!
みかんの皮を干さない方法
干さない方法は単純です。
みかん5個分のみかんの皮を細かくちぎって、洗濯ネットなどに入れてお風呂に入れるだけです。
この時に、みかんの皮を揉んだり擦ったりすると、油胞(みかんの皮のつぶつぶ)がはじけてリモネンが出てきます。
すると、皮膚のヒリヒリ感が出てきてしまうので注意が必要です。
みかん風呂の皮は干さないのか等まとめ!
この記事では、みかんの皮は干さないか干すかや、みかん風呂の効果、作り方などを解説してきました。
・みかん風呂は古くから親しまれてきた11月の季節湯
・みかん風呂には血流促進、保温、リラックス効果が期待できる
・みかんの皮は干した方が万人に使用できるが、干さなくても問題はない
・みかんの皮は電子レンジで簡単に干すことができるが、やりすぎには注意
みかんの皮は干さない方法でも干す方法でも、どっちでも効果は得られるけど、干した方がたくさんの人が使いやすいんだね!
肌が敏感な人とかは干してから入った方がヒリヒリしたりしなくて済むよ!効果も優しくなるから、湯あたりのような症状も出にくいと思う!
本格的に寒くなる11月は、体が温まってリラックスできるみかん風呂、ぜひ試してみてください!